- パートさんが発注書を仕分けしてバイヤーに割振り。郵送・FAX を巧みに操っており、バリバリの手作業だ。
- 単価確定、発注書の承認手続きを踏んでいる。パッと見、特に確認せず捺印していて、形だけ行っている。
- 生産管理から納期の問い合わせがあればサプライヤーに確認して展開する。
結構頻繁にあるが、伝言ゲームはかなり非効率。 - 注残の納期フォローを電話、メールでやり取り。かなり時間をかけている。
- サプライヤーを定期的に評価するが、次期のアクションプランの計画、実行はできていない。
- 銀行の紹介や商談会でたまに新規サプライヤーと会話するが、実際に取引を開始する優れたサプライヤーは見つからない。
- 他社価格や相場、費用構造などの根拠を持った値交渉ができていない。交渉はベテランバイヤーの人情とパワーにお任せ。
実際に現場を見ての感想だ。よくあるといったらそれまでだが、現代においてはあまりにも昔ながらに思えるスタイルだ。
本来、バイヤー業とは、集中購買、サプライヤー最適化、分析査定、サプライヤー評価・教育などを行い、調達コストの低減、納期遵守、品質向上といった会社の業績に直結する重大な責務を担っている。
その一方で、生産、開発が決めたそもそも無理難題な短納期の責任を負い、鬼のようにサプライヤーに電話、夜遅くにサプライヤーの工場に訪問、涙ぐましい努力のうえで納期を達成するわけだ。
そういった努力をしても、「モノ」が入ってこなければ、生産管理、設計、開発の怒りの矛先は容赦なくバイヤーに向けられる。
バイヤーはいつでもトラブル処理の中心にいる。
これを当たり前と思ってはダメだ。今なら、こんな現場に変えることができる。
- 購買要求の担当割振り、承認申請をワンクリックで。
- 注文などの更新情報はサプライヤーへリアルタイムにお知らせする。ただし、パソコンが苦手なサプライヤーには自動FAXで。
- 新規品、試作品、単価マスタ更新において時間が無くても、サクッとアイミツ。
- 定期的な納期フォローはシステムに丸投げ。納期情報は各部署でチェックできること。
- 近隣の優秀なサプライヤーをすぐに探すことができ、取引口座がなくとも提案を公募する。
- 若手バイヤーも価格、明細(原料費、加工費、金型費など)に関する統合データベースをみながら根拠のある値交渉を。
仕事が自動化、効率化すれば余裕ができる。
余った時間で取引先開拓・教育、交渉など付加価値の高い仕事にシフトできる。
結果は数字(CR率)に見え、現場の活性化も同時に実現できる。
しかし、マツモト自身、多忙を極めている。予算も取れそうにない。手伝ってくれそうな人間も見つからない。
八方塞がりで頭を抱えるマツモト。その時、後ろから聞きなれない声が聞こえてきた。

目の前で変な生き物がぴょんぴょん跳ねながら一生懸命訴えている。

”連日、寝不足だからな。このくらいの幻覚が見えるのも仕方ないかもな。”
しかし、どんなに目をこすっても、工場を全力疾走しても、翼を授かるドリンクを一気しても、その幻覚は消えないし声も消えない。
なるほど、現実にいるようだ。
すんなり受け入れる自分も奇妙だが、ひとまず的を射た発言なので反応してみる。
”ごもっともだが、それができないから困っているんだよ。あと、君はなんなんだ?”
「”ガイド”だィィィ」
「時間も予算がないのも分かってるィ。でも、これなら使えそうなパッケージを見つけたィィィィ」
「時間も予算がないのも分かってるィ。でも、これなら使えそうなパッケージを見つけたィィィィ」
”見積をクリック操作で一括依頼”

”納期フォローをかんたんクリックで”

”承認経路をらくに設定”

”最安単価を自動選択”

”技術情報、保有設備など新規サプライヤーを探し出す”

”購買実績からCR率、シェア分析が分かる”

”確かに、ぱっと見良さそうに見える。ただ、予算が取れないのだ。システムは導入できない。”
「大丈夫。リリースキャンペーン中で今なら初期費はないィィィ。」
”え!そうなの!?じゃあ現場メンバーに意見を聞いてみよう!!”
・・
「誰がサプライヤーに説明するんですか?」
「サプライヤーからの問い合わせは誰が、どう対応するんですか?」
「電子契約だから基本契約を改定する必要がありますか?」
「情シスは忙しくて時間取れないみたいですよ」
「マニュアル作りとか、私は絶対ムリですからね」
思った以上にすごい抵抗だ。
慣れた仕事を変えるのはやはり至難の業だな。
部長に意見を伺ってみよう。
・・
「導入コストとランニングコストを現状のペーパー代、郵送、FAX、人件費と比較して投資回収ポイントを教えて。」
「保守企業が破綻時の引継ぎ先は?展開に掛かる社内リソースは?」
「信用に足る会社ですか?決算書は確認しましたか?問題発生時のソースの引継ぎは?」
理論武装せずに挑んだ自分も悪いが、恐ろしくゴン詰めされた。ロジハラだ。
しかし、経営層も現場の声も一理ある。全部すべてまるっとスリッと解決しないと、導入までこぎつけるのは厳しいだろうな…。
「サプライヤーの説明、問合せ対応は全部丸投げできるィ」
「調達業務の改善に特化して30年やっている。関連法規に関しても相談可能だィ」
「情シスなしでも進めることはできるィ。」
「話を聞くのはタダなんだから、一度話を聞いてみても良いんじゃないィィィィィィィ?」
「調達業務の改善に特化して30年やっている。関連法規に関しても相談可能だィ」
「情シスなしでも進めることはできるィ。」
「話を聞くのはタダなんだから、一度話を聞いてみても良いんじゃないィィィィィィィ?」
ガイド…。なんて、頼りがいのある奴なんだ。大好きだ。
しかし、その語尾、喋りにくいのでは?今度聞いてみよう。
開発企業に話を聞いてみた。要約するとこうだった。
- 1995年から調達業務の分野に特化したソリューションを開発、納品、改善保守、運用保守を一気通貫で対応していること。
- 有名企業
が多数導入している。99%が直接契約でユーザーの意見を直接聞いて改善を繰り返しているとのこと。
- データの連携はシステムを問わず可能であること。SAP、McFrame、電脳工場、内製の基幹システムなど。
- 取引先はインターネットに接続されたPCがあれば使えること。費用請求もない。
- 全システムあわせて1年の問い合わせ件数が約100件程度で問合せ自体ほとんどない事。
- 調達に特化しているため、下請法、電帳法、建業法など関連法規にも明るい。
- 初期費は打ち合わせなど最小限の費用のみ。ランニングコストも郵送、FAXと比較しても安価。
- 30年前からこの事業を運営しており、PCに不慣れな業者への機能も用意されている。
いよいよ、希望が見えてきた。

- ① 品目別、サプライヤー別支出分析
- ② 調達基本方針策定
- ③ コストドライバー分析
- ④ コスト構造分析
- ⑤ 原価の把握
- ⑥ サプライヤー新規開拓
- ⑦ サプライヤマネジメント
- ⑧ 海外調達
契約業務は花形業務であり、その分奥が深い。最適なサプライヤーは常に変動する。
一つ一つ、やるべき作業をしっかり行って、徹底的にコストを下げる。
乾いた雑巾を絞り切る、全員がこういった付加価値の高い業務にシフトする。
達人バイヤー集団を作る、その第一歩だ。
「ペーパーの仕事が多すぎて時間が取れない。ミスも目立ってるィ。意識レベルの改善には限界があるィィィ。」
「できればサプライヤーと双方向のコミュニケーションに特化したパッケージが望ましいィ。」
「納期フォローも時間かけすぎィィィ。」
「人間系が減ったら次に戦略構築ィィィィィ。」
「年間購入金額上位品目の採用取引先とその理由、シェア比率について整理してィィィィィ。」
「取引先を適切に評価して。価格だけで決定できるなら苦労しないィィ。」
「品質、技術力、コスト、納期協力度を適切に評価してィィィ。」